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1級管工事施工管理技士とは?
受検資格・試験・役割と転職での価値

1級管工事施工管理技士と技士補の違い、管工事の対象範囲(空調・給排水等)と別資格との区別、令和6年度以降の受検資格、第一次・第二次検定、建設業法上の監理技術者との関係、転職で評価されるポイントを一次情報ベースで整理。有資格・経験者向け。

更新日:2026年8月14日資格:1級管工事施工管理技士執筆・編集:ジョブエッジ施工管理編集部
1級管工事施工管理技士とは?

1級管工事施工管理技士は、ビル・病院・商業施設などの空調・給排水・衛生設備など、管工事の施工管理を担う国家資格です。建設業法に基づく「管工事施工管理技術検定」の第二次検定に合格すると取得でき、第一次検定に合格した時点では1級管工事施工管理技士補という称号が付きます。

令和6年度(2024年度)からは、第一次検定の受検資格が大きく変わり、試験実施年度末時点で19歳以上であれば学歴・実務経験を問わず受検できるようになりました。一方、第二次検定には引き続き実務経験等の要件があり、現場での監理技術者・監理技術者補佐への配置は、合格とは別に会社の判断や講習・経験が関わります。

本記事では、制度の全体像・管工事の対象範囲・受検資格・試験構成・建設業法上の役割・転職での評価ポイントを、国土交通省と一般財団法人全国建設研修センターの情報を軸に整理します。年収の相場は別記事で扱うため、ここでは資格そのものの意味と転職での活かし方に絞ります。

1級管工事施工管理技士とは?国家資格の位置づけ

1級管工事施工管理技士は、管工事(冷暖房・空調・給排水・衛生設備など)の施工における工程・品質・安全・原価などの管理を、設計図書に基づいて適正に行える技術者であることを示す国家資格です。

建設業法第27条に基づく技術検定のうち、管工事施工管理技術検定の1級第二次検定合格者に与えられます。設備専門のサブコン、ゼネコンの設備部門、ハウスメーカーの設備工事など、建物のライフラインを支える現場の管理職候補として位置づけられる資格です。

全国建設研修センターが実施する国家試験

施工管理技術検定は、建設工事の施工技術の向上と、工事完成品の質の確保を目的とした制度です。工種ごとに検定種目が分かれ、管工事分野は全国建設研修センターが国土交通大臣の指定を受けて実施しています(技術検定のご案内)。

ここで混同しやすいのが、建築施工管理技術検定です。建築一式工事は一般財団法人建設業振興基金が実施しており、受検の手引・申請様式・問い合わせ先も管工事とは別です。1級管工事施工管理技術検定の受検申請・試験日程・受検の手引は、年度ごとに更新されるため、必ず1級管工事施工管理技術検定のご案内で最新情報を確認してください。

1級管工事施工管理技士補との違い

令和3年(2021年)4月の建設業法改正により、検定は「第一次検定」「第二次検定」に再編され、称号も整理されました。

検定の区分合格時の称号ざっくりした意味
第一次検定合格1級管工事施工管理技士補施工管理の基礎知識・応用能力を有する国家資格
第二次検定合格1級管工事施工管理技士監理技術者としての施工管理に必要な知識・能力を有する国家資格

改正前は、第一次(旧・学科試験)に合格しても「学科合格者」にとどまり、第二次(旧・実地試験)合格で初めて施工管理技士でした。現在は第一次合格時点で技士補という正式な国家資格が付与されます。

管工事の対象範囲は?空調・給排水と別資格の違い

「管工事施工管理技士」と聞くと、ガスや消防の資格と混同されやすいことがあります。まず押さえるべきは、管工事施工管理技士は建設業法に基づく「建設工事の施工管理」の国家資格である点です。

管工事業が含む主な工事

建設業法上、管工事業は29の建設業の種類の一つです。国土交通省の建設業許可関連資料では、管工事にはおおむね次のような工事が含まれます。

1級管工事施工管理技士は、これら管工事として請け負う建設工事の施工管理を担う資格です。ビル設備の新築・改修、病院・データセンター・商業施設の空調・給排水現場などが代表的なフィールドになります。

施工管理技士とガス・消防・給水の別資格

管工事の現場では、建設工事以外の法令に基づく資格も関わります。ただし、制度の根拠・目的・試験機関が異なるため、管工事施工管理技士と同一視してはいけません。

区分管工事施工管理技士別資格の例
根拠法令建設業法(施工管理技術検定)ガス事業法、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律、消防法、水道法 など
主な目的建設工事の施工計画・工程・品質・安全の管理ガス・LPガスの保安、消防用設備の点検・維持、給水装置工事の主任 など
代表例1級管工事施工管理技士液化石油ガス設備士、ガス主任技術者、消防設備士、給水装置工事主任技術者

たとえば、都市ガスやLPガスの配管を建設工事として施工する場面では管工事の範囲に入り得ますが、ガス事業法に基づく保安・販売・点検を担う資格とは別です。同様に、消防用設備の施工管理と、消防法に基づく消防設備士の資格も目的が異なります。

転職活動でも、「1級管工事施工管理技士を持っているから消防設備士の業務も任せられる」とは限りません。求人票に記載される必須資格・担当工事・配置役割を、それぞれの制度として確認することが大切です。

1級管工事施工管理技士補と技士の名称・取得の流れ

取得の流れは、おおむね次のとおりです。

  1. 第一次検定に合格 → 1級管工事施工管理技士補を取得
  2. 受検資格を満たしたうえで第二次検定に合格 → 1級管工事施工管理技士を取得

第一次検定のみを受検し合格した年に、同年度の第二次検定へ追加申請することはできません(第一次・第二次を同時申請するルートは別途あります)。詳細は受検の手引で確認してください。

第一次検定合格=1級管工事施工管理技士補

1級管工事施工管理技士補は、主任技術者の資格要件など追加条件を満たす場合、監理技術者補佐として配置され得ます(後述)。監理技術者補佐を使う専任特例では、対象となる工事現場ごとに補佐を専任配置する必要があります。

技士補は「仮の資格」ではなく、第一次検定合格という明確な基準で付与される国家資格です。転職活動でも、履歴書・職務経歴書に記載できる正式な称号として扱われます。

第二次検定合格=1級管工事施工管理技士

1級管工事施工管理技士は、管工事業について、監理技術者の資格要件を満たし得る国家資格の一つです。

ただし、検定合格=すぐに監理技術者として現場を任されるとは限りません。監理技術者になるには、資格に加えて監理技術者講習の修了、会社の配置判断、工事規模・契約形態、本人の実務経験などが関わります。後述のとおり、転職でも「資格」と「どの役割で何年経験したか」は別々に見られます。

受検資格は?令和6年度以降の第一次・第二次の要件

施工管理技術検定の受検資格は、令和6年度(2024年度)から新受検資格が適用されています(国土交通省報道発表)。令和10年度(2028年度)までの間は、旧受検資格による第二次検定の受検も経過措置として可能です。

第一次検定(新受検資格)

1級管工事施工管理技術検定の第一次検定は、次の要件のみです。

学歴・職種・実務経験の有無は問われません。これまで必要だった「大学卒+実務3年」などの学歴別要件は、第一次検定については撤廃されました。

2級管工事施工管理技術検定の第一次は、従来どおり17歳以上(変更なし)です。

第二次検定(新受検資格)

第二次検定は、第一次検定合格後の実務経験等が必要です。新受検資格の主なルート(1級管工事・区分1)は、次のいずれかを満たします(国交省リーフレット全国建設研修センター案内)。

区分要件の概要
1-11級第一次検定合格後、実務経験5年以上
1-21級第一次検定合格後、特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上
1-31級第一次検定合格後、監理技術者補佐としての実務経験1年以上

「特定実務経験」は、建設業法の適用を受ける一定規模以上の建設工事において、監理技術者・主任技術者の指導下、または自ら監理技術者・主任技術者として行った施工管理の経験を指します。金額基準や証明方法は受検の手引で確認してください。

2級管工事施工管理技術検定の第二次検定合格者で、かつ1級第一次検定に合格している場合のルート(区分2)もあります。

経過措置(旧受検資格)

令和6年度から令和10年度の検定では、従来の学歴・実務経験に基づく旧受検資格で第二次検定を受検することも選べます。すでに実務経験を積んでいる有資格者は、新旧どちらの要件が有利か、申請前に受検の手引で比較する必要があります。

申請方法や必要な実務経験証明は受検区分によって異なります。旧受検資格の一部は書面申込が必要な場合があります。十分に内容を確認してから申請してください。

試験の構成と合格の意味

検定は第一次検定第二次検定の2段階で実施されます。科目と形式の概要は次のとおりです。年度によって案内が更新されるため、詳細と合格基準は最新年度の公式案内を確認してください。

第一次検定の科目

分野問われる内容(概要)形式
機械工学等熱力学・流体力学・機械・建築設備の基礎知識、設計図書の読み方四肢択一(マークシート)
施工管理法工程・品質・安全等の管理知識、監理技術者補佐としての応用能力四肢択一・五肢択一
法規建設工事の施工に必要な法令四肢択一

第一次検定では、施工管理に必要な知識に加え、応用能力も判定されます。合格基準は全体の得点が60%以上、かつ施工管理法(応用能力)の得点も60%以上です(受検年度の手引で確認してください)。

第二次検定の科目

分野問われる内容(概要)形式
施工管理法(知識)監理技術者としての施工管理知識記述式を含む
施工管理法(能力)施工計画の作成・実施、設備工事の判断記述式

第二次検定の合格基準は、得点60%以上です。令和6年度以降、第二次検定の出題形式にも一部見直しが入っています。詳細は受検年度の手引を正として確認してください。

日程・手数料は公式案内で確認

試験日・申込期間・受検手数料は年度ごとに公示されます。固定の日付や金額を覚えておくより、全国建設研修センターの1級管工事案内ページで、受験予定年度の最新スケジュールを確認するのが確実です。

建設業法上、1級管工事施工管理技士はどんな役割を担えるか

施工管理技士の価値は、建設業法上の技術者配置制度と結びついています。1級と1級技士補では、担える役割が異なります。

監理技術者・監理技術者補佐・主任技術者の違い

建設業者は、請け負った建設工事の施工にあたり、工事現場で施工の技術上の管理をつかさどる主任技術者または監理技術者を置く必要があります(建設業法第26条)。

役割ざっくりした位置づけ1級管工事施工管理技士との関係
主任技術者建設業者が請け負った工事で、監理技術者を置く場合を除いて配置2級管工事施工管理技士等が資格要件を満たし得る。1級技士も対応業種の要件を満たせば可能
監理技術者特定建設業が直接請け負う大規模工事で、主任技術者に代えて設置1級管工事施工管理技士等の国家資格者が対象
監理技術者補佐監理技術者の兼務等の際、現場ごとに専任配置1級管工事施工管理技士補等が対象

監理技術者を設置すべき工事かどうかは、下請契約額や請負金額の合計など複数の基準で判断されます。令和7年2月1日施行の改正では、監理技術者の設置・専任に関する金額基準が見直されています(監理技術者制度運用マニュアル改正資料)。空調・給排水を含む設備工事でも、監理技術者の設置義務は工事の種類・契約形態・下請契約額によって判断します。

合格と配置は別問題

次の点は混同しやすいため、切り分けて理解してください。

資格は「現場で何ができるか」の入場券に近く、どの設備工事を・どの役割で・何年担当したかが転職やキャリアの実質的な評価につながります。

転職市場で1級管工事施工管理技士はどう評価されるか

「1級管工事施工管理技士 転職」と検索する方の多くは、資格を活かしてどのような求人に応募でき、何が評価されるかを知りたいはずです。転職市場では、1級管工事施工管理技士(および技士補)は、おおむね次のように評価されます。

年収の相場や資格級ごとの給与水準は、管工事施工管理技士の年収に関する別記事で扱います。ここでは、資格が転職の必要条件になりうる一方で、十分条件ではない点を押さえておいてください。

求人で見られるポイント

施工管理の転職では、エージェント・採用担当が次を確認します。

1級管工事施工管理技士を持っていても、「希望する担当設備・役割・エリア・業態」の求人が必ずしも多いとは限りません。資格を活かすには、条件に合う求人を幅広く比較するのが現実的です。

2級との違い(転職の観点)

比較1級管工事施工管理技士2級管工事施工管理技士
主な法的役割管工事業の監理技術者の資格要件を満たし得る管工事業の主任技術者の資格要件を満たし得る
求人で確認する点監理技術者としての配置経験、工事規模・担当設備主任技術者としての配置経験、工事規模・担当設備
第一次のみの場合1級管工事施工管理技士補2級管工事施工管理技士補

2級から1級へステップアップする場合も、第二次検定の受検資格(実務経験)を満たしたうえでの挑戦になります。転職のタイミングと受験計画を両立させる場合は、現職での配置経験が第二次受検資格にどうカウントされるかも、受検の手引で確認してください。

まとめ:次に確認すべきこと

1級管工事施工管理技士は、管工事施工管理技術検定の第二次検定合格で得る国家資格です。第一次合格で得られる1級管工事施工管理技士補も正式な国家資格であり、主任技術者の資格要件など追加条件を満たす場合は監理技術者補佐として配置され得ます。

管工事は空調・給排水・衛生設備など建設工事としての設備施工が対象ですが、ガス事業法・消防法などに基づく別資格とは制度が異なります。令和6年度以降、第一次検定は19歳以上であれば受検できますが、第二次検定と現場での監理技術者配置には、引き続き実務経験・講習・会社の判断が必要です。

受検を検討する方は、全国建設研修センターの1級管工事案内国土交通省の受検資格リーフレットで、最新の要件と申請方法を確認してください。建築施工管理技士の受検は建設業振興基金が別途担当します。

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