「管工事施工管理技士の年収、相場はいくらなのか」——資格取得後や転職検討時に、多くの保有者が検索するキーワードです。結論から言うと、管工事施工管理技士保有者だけを対象にした公式の平均年収は、厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)には公表されていません。2026年8月10日時点で、job tagの職業検索に「管工事施工管理」「管工事施工管理技術者」を入力しても、該当する職業詳細ページは表示されません。
そのため、「管工事施工管理技士の平均年収」として数字を見るときは、民間調査なのか、別職業(配管工など)の統計なのかを確認する必要があります。本記事では、公的に参照できるデータと使えないデータを切り分け、管工事施工管理の現場経験者が自分の年収を考えるときの判断材料を整理します。
管工事施工管理技士の年収はいくら?結論から言うと
job tagに「管工事施工管理技術者」がない意味
厚生労働省のjob tagでは、職業名が「○○施工管理技術者」となっているページが工種ごとに用意されているものと、そうでないものがあります。管工事施工管理については、職業検索で該当ページが見当たりません(2026-08-10確認)。
建築施工管理技術者(平均年収679.1万円)や土木施工管理技術者(625万円)は職業分類が整備されていますが、それらをそのまま「管工事施工管理技士の相場」とは読み取れません。工事種別・担当領域が異なるためです。
配管工・設備作業系の平均を使わない理由
job tagには「配管工」の職業ページがあり、平均年収は523.1万円です。配管工は、給排水・空調・ガスなどの配管を施工する実作業が中心の職業分類です。関連資格に管工事施工管理技士が挙がることはありますが、統計上の職業は「配管工」であり、施工管理職の賃金ではありません。
同様に、保温工事(平均466.9万円)など設備系の別職業も、管工事施工管理技士の年収相場の代替にはなりません。実作業職と管理職の賃金体系の違いを見落とすためです。
参照できる公的ベンチマークと、その限界
建設業全体の賃金水準
厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査の概況によると、建設業の正社員・正職員の賃金(男女計)は370.9千円(月額)です。対前年増減率は4.0%です。
- 管工事施工管理技士や施工管理職に限定されていない
- 月額であり、賞与・残業を含む年収そのものではない
- 企業規模・地域・職種の内訳は含まれない
「建設業の平均より上/下」といった大まかな産業文脈には使えますが、個人の年収の正解値にはなりません。
施工管理全体の年収は別記事で整理
建築・土木・電気などの公的データや、1級・2級・監理技術者の共通部分は、当サイトの施工管理全体の年収に関する記事にまとめています。本記事では管工事施工管理に特化します。
管工事施工管理技士が担う役割(制度の観点)
管工事施工管理技士は建設業法に基づく国家資格で、第二次検定合格により称号が付与されます。1級・2級の検定は、一般財団法人全国建設研修センターが指定試験機関として実施しています(技術検定のご案内)。給排水・空調・ガス・衛生設備など、流体を搬送する設備の施工管理が中心領域です。
1級/2級管工事施工管理技士の位置づけ
2級は、管工事業の営業所技術者や主任技術者の資格要件を満たし得ます。1級は、監理技術者や特定営業所技術者の資格要件を満たし得ます。ただし、1級/2級や監理技術者かどうかで賃金を分けた公表データはありません。「2級から1級に上げると年収は○○万円上がる」と一律に言える公的根拠はありません。
監理技術者・主任技術者と工事規模
国土交通省のQ&A(技術者制度)による令和7年2月1日以降の主な金額要件は次のとおりです。
| 要件 | 建築一式工事 | 建築一式以外 |
|---|---|---|
| 監理技術者の配置が必要な下請契約の合計額 | 8,000万円以上 | 5,000万円以上 |
| 専任の監理技術者等が必要な請負代金 | 9,000万円以上 | 4,500万円以上 |
資格を持っているだけで自動的に高年収になるわけではなく、実際の配置経験・講習修了・資格者証の交付など、配置に必要な要件を満たしているかが問われます。
資格手当・社内評価は会社ごとに異なる
管工事施工管理技士取得時の昇給額や資格手当は、企業ごとに大きく異なり、公的な相場データはありません。
年収に関わりうる変動要因
空調・給排水・ガス・衛生・消防など担当工事の違い
管工事施工管理は、ビル・商業施設・病院・工場・集合住宅など、物件タイプによって扱う設備が異なります。
- 空調・冷熱源:チラー、ボイラー、空調機の据付・配管・試運転まで関わる大規模案件
- 給排水・衛生:給水・排水・衛生器具、ポンプ設備など
- ガス設備:ガス配管など、関係法令・仕様への理解が求められる工事
- リニューアル/新築:工期・夜間作業・既存設備との調整の難易度が異なる
求人票では「空調施工管理経験○年以上」「給排水設備の監理技術者経験」など、担当工事の種類が年収レンジとセットで記載されることがあります。
1級/2級・監理技術者としての配置実績
転職では、資格の有無に加え、どの規模の工事を、どの役割で担当したかが評価されます。資格級だけでなく、主任技術者・監理技術者・監理技術者補佐のどの役割で、どの工事を担当したかをそろえて確認してください。
工事規模・元請/下請・業態・勤務地・経験年数
| 要因 | 考え方のポイント |
|---|---|
| 工事規模 | 大規模設備工事ほど調整・責任範囲が広い案件がある |
| 元請/下請 | ゼネコン設備部門、専門サブコン、ハウスメーカー設備等で給与体系が異なる |
| 勤務地 | 都市部・地方、単身赴任・転勤で手取りや生活コストが変わる |
| 経験年数 | 現場代理人に近い裁量、多工種調整、試運転・引渡し経験など評価軸が異なる |
公的な業態別・地域別平均は限定的です。自分の経験に近い条件の求人票で、提示年収を確認するのが現実的です。
管工事施工管理技士の年収を考えるときの現実的な進め方
職務経歴で伝えるべき項目
- 1級/2級管工事施工管理技士の取得年次
- 監理技術者・主任技術者としての配置実績
- 担当した設備区分(空調・給排水・ガス・消防など)と工事の種類
- 請負規模・工期・元請/下請の立場
- 試運転・総合試験・引渡しまで関わったか
「管工事施工管理をやってきた」だけでなく、どの設備・どの役割・どの規模かを具体的に書くと、求人側が年収レンジを判断しやすくなります。
求人票で確認するポイント
- 必須資格(1級必須か、2級可か、監理技術者経験の要否)
- 担当工事のキーワード(空調、衛生、ガス、浄化槽、データセンター設備など)
- 提示年収のレンジと、残業・転勤・現場手当の扱い
- 設備専門サブコンか、総合ゼネコンの設備部門か
複数の求人を、条件をそろえたうえで比較してください。
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利用者の年収アップ平均は約200万円ですが、これは平均・実績であり、必ずしも上がる保証ではありません。
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よい求人を見てみたい公的ベンチマークは厚労省 job tag(職業情報提供サイト)の職業平均です。資格級別(1級/2級)の公式平均ではありません。数値の確認日:2026-08-18。全体表は施工管理の年収と同じ公的出典に基づいています。参照例:建築施工管理技術者(Detail/21)、土木施工管理技術者(Detail/23)、電気技術者(Detail/272)。個別求人の提示額とは切り分けて読んでください。
公的データを読むときの確認ポイント
資格別ページでも、年平均の取り違えが起きやすいです。次だけ押さえてください。
- job tag平均は「職業分類」の平均であり、保有資格そのものの平均年収ではない
- 求人のレンジは資格・役職・残業前提付きかを先に確認する(年収条件)
- 基本給・手当・賞与に分解して現職と比較する(年収内訳)
- 資格ページ(1級管工事施工管理技士・2級管工事施工管理技士)で制度上の役割を確認してから提示条件を読む
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