求人票の「整備士募集」では、担当する車種、点検と故障整備の配分、診断機の対応範囲までは分かりません。面接の逆質問は、まだ確認できていない条件を埋める作業です。
このページは面接で使う質問に限定します。転職の順番は 自動車整備士の転職は、資格と工場の区分を分けて進める 、年収の内訳は 自動車整備士の年収は、額面より内訳で比較する で扱います。
この記事の結論
- 求人票で分かることを聞き返さず、未確認の条件だけを質問に変えます。
- 資格制度や法令で決まっている範囲と、その職場の運用は分けて聞きます。
- 回答は「確定」と「未確認」を分けて記録し、内定通知と労働条件通知書で突合します。
確認する6領域
| 領域 | 未確認になりやすいこと |
|---|---|
| 担当車種 | 国産と輸入の比率、軽・大型の有無、メーカーごとの配分 |
| 作業範囲 | 日常点検・定期点検・故障整備の配分、繁忙期の変動 |
| 設備・工具 | 診断機の対応車種、OBD点検用機器、電動車の設備 |
| 教育 | OJTの期間、独り立ちの目安、新技術の研修 |
| 評価 | 評価の基準、面談の頻度、昇格の判断方法 |
| 勤務条件 | 勤務時間帯、休日体系、繁忙期の残業、手当の種類 |
金額や残業時間の水準は工場ごとに異なるため、ここでは確認する項目だけを示します。
1. 法令・資格制度と、職場の運用は分けて聞く
自動車整備士は、国土交通大臣が行う技能検定に合格して取得する資格で、一級・二級・三級・特殊整備士に区分されます。検定の種類ごとに対象となる自動車が定められています。ただし、資格区分は「その職場で必ずその作業を担当する」ことを意味しません。
日常点検整備と定期点検整備は使用者の義務として法令に定められ、車種・用途によって点検時期と項目数が異なります。令和3年10月1日からは定期点検にOBD点検が加わりました。法令で頻度が決まっていても、工場内で誰がどの作業を何割担当するかは職場ごとの運用です。
そのため質問は、「制度上どうなっているか」ではなく「この工場では誰が、どの頻度で担当するか」に向けます。
2. 担当車種と作業範囲
- 求人票では〇〇メーカー中心とありましたが、入社1年で扱う車種の比率を教えてください
- 国産と輸入、乗用車と商用車の配分はどのくらいですか
- 日常点検・定期点検・故障整備の作業配分はおおよそどのくらいですか
- 車検が多い月は、作業内容と残業がどう変わりますか
- 入庫から納車まで、どの工程を一人で担当する想定ですか
保有する免状の種類(二級ガソリン、二級ジーゼル、シャシなど)と、求人の要求資格が対応しているかも確認します。
3. 設備・工具
- 故障診断に使う診断機の機種と、対応するメーカー・車種を教えてください
- OBD点検用の機器は、どの車種まで対応していますか
- リフトの台数と種類、自分が使う頻度はどのくらいですか
- 電動車の整備に必要な絶縁工具や充電設備は揃っていますか
- 特殊工具や測定器は、個人支給と共有のどちらですか
「最新設備」という回答だけでは対応車種が分かりません。機器名と使用頻度をセットで聞きます。
4. 教育と資格取得支援
- OJTの期間はどのくらいで、どの作業から任される想定ですか
- 独り立ちの判断は、どの時期に誰が行いますか
- 電子制御や診断機の研修はありますか。頻度も教えてください
- 受験料や教材費の負担、勉強時間の確保はどうなっていますか
一級整備士に求められる知識・技能には新技術の故障診断や環境保全が含まれますが、職場での役割は国が一律に定めたものではありません。資格取得支援の有無と、取得後にどの役割を任されるかは別に確認します。
5. 評価制度
- 評価はどのような基準(作業品質・作業量・資格・顧客対応など)で行われますか
- 評価面談は年に何回ありますか
- リーダーや整備主任者への選任は、どのような基準で決まりますか
- 評価結果は給与や賞与にどう反映されますか
一定台数以上の事業用自動車を使用する場合、使用者は整備管理者を選任し、選任日から15日以内に届け出る必要があります。整備管理者の要件は、実務2年以上と地方運輸局長の研修修了、または技能検定の合格です。資格を持っていても自動的に選任されるわけではないため、役割は職場の運用として聞きます。
6. 勤務条件は面接で概要、書面で確定
- 勤務時間帯とシフトの決め方を教えてください
- 休日体系と、繁忙期の休日出勤の頻度を教えてください
- 資格手当や技能手当は、どの免状が対象ですか
労働契約を結ぶとき、使用者は賃金・労働時間などの労働条件を明示する義務があり、多くの項目は書面での明示が必要です。令和6年4月1日からは、就業場所と業務の変更の範囲も明示事項に加わりました。面接で「残業は少なめ」と聞いても、書面に記載がなければ確定ではありません。
面接後の記録
回答は当日中に、次の4区分で残します。
| 区分 | 意味 |
|---|---|
| 確定 | 今回の募集・本人について確定と説明された |
| 予定 | 現時点の候補で、変更の余地がある |
| 例 | 過去の事例や一般的な制度の説明 |
| 未確認 | 質問していない、または回答待ち |
「大型車の整備もあります」を配属の確定として書かないことが重要です。区分を付けておくと、内定比較のときに追加確認すべき点が残ります。
面接前チェックリスト
- 求人票で分かる条件と、未確認の条件を分けた
- 6領域から質問を3〜5個に絞り、予備を用意した
- 制度上の範囲ではなく、職場の運用を聞く形にした
- 回答を確定・予定・例・未確認で記録する準備をした
- 勤務条件は内定通知と労働条件通知書で突合する予定を立てた
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参照元(一次情報)
- 国土交通省|自動車整備士になるために
- 国土交通省|試験の内容について
- 国土交通省|点検整備
- 厚生労働省|労働基準法の基礎知識
- 厚生労働省|労働基準関係(労働条件通知書の様式)
- 一般社団法人日本自動車整備振興会連合会|自動車整備士を希望されるみなさんへ
情報確認日: 2026-08-22
ジョブエッジ整備士ジャーナル
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