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衛生管理者と安全管理者の違い|選任・資格・職務を比較

衛生管理者と安全管理者は、労働安全衛生法(安衛法)上の別職です。

対象:安全衛生担当者・転職検討者 読了目安:24分 執筆・編集:ジョブエッジ衛生管理者編集部
衛生管理者と安全管理者の違い

衛生管理者と安全管理者は、労働安全衛生法(安衛法)上の別職です。適用単位は事業場であり、企業全体の従業員数だけで選任義務を断定しません。衛生管理者は常時五十人以上のすべての事業場で選任し、第一種・第二種衛生管理者免許等(業種によりイ欄・ロ欄で区分)が必要です。安全管理者は特定業種の事業場で常時五十人以上の場合に選任し、産業安全の実務経験と厚生労働大臣が定める研修修了、または労働安全コンサルタントが要件です。衛生管理者免許の試験合格だけでは安全管理者にはなりません。

職務は、第十条第一項各号の業務のうち「衛生に係る技術的事項」と「安全に係る技術的事項」に分かれます。巡視については、衛生管理者に安衛則11条で「少なくとも毎週一回」が明記されます。安全管理者の安衛則6条には、同様の頻度規定は見当たりません。安全管理者に「毎週巡視が法定義務である」「巡視の法定義務がない」と断定する表現は避け、条文の記載差を整理します。

本記事では、選任対象・資格・職務・巡視・権限・連携の6軸で両職を比較し、一覧表と確認項目を示します。安全管理者の制度詳細・研修・実務年数・転職・建設現場軸は、施工管理ジャーナルの安全管理者記事を正として、本記事は比較と確認に限定します。

衛生管理者と安全管理者は、安衛法上の別職である

結論として、労働安全衛生法では事業場を一つの適用単位として、安全管理者と衛生管理者をそれぞれ選任します。両者は別職で、対象業種・資格要件・職務分担が異なります。「安全衛生管理者」は法定の1職ではなく、求人票や社内称呼に混在する表記です。本記事では選任対象・資格・職務・巡視・権限・連携の6軸で比較します。

事業場単位で判断する——企業全体の人数だけで断定しない

東京労働局は、労働安全衛生法では事業場を一つの適用単位として、各事業場の業種、規模等に応じて、総括安全衛生管理者、安全管理者、衛生管理者及び産業医の選任を義務付けていると説明しています。

支社・店舗・工場ごとに、選任義務の有無、必要な資格、選任人数が変わります。グループ全体の人数だけで「選任不要」と判断すると、個別事業場の義務を見落とす恐れがあります。転職を検討している場合も、配属予定の事業場の業種と常時使用する労働者数を確認してください。

安全に係る技術的事項と衛生に係る技術的事項

安衛法第11条第1項は、安全管理者に第十条第一項各号の業務のうち安全に係る技術的事項を管理させると定めています。安衛法第12条第1項は、衛生管理者に同条各号の業務のうち衛生に係る技術的事項を管理させると定めています。

安全と衛生は、安衛法第十条の枠組みのなかで技術的事項として切り分けられます。職務の具体例は後述の比較表で整理します。

「安全衛生管理者」という呼び方について

求人票や社内文書に「安全衛生管理者」「安全衛生担当」などの表記が出ることがあります。これは安衛法上の1つの法定職名ではありません。実際には安全管理者と衛生管理者の2職が並立し、会社によっては1人が両方の職務を担う体制もあります。

求人票の表記が、法定上の安全側・衛生側のどちらを指すか、兼務範囲はどこまでかは、個社ごとに確認が必要です。

選任対象——すべての事業場50人以上か、特定業種50人以上か

選任対象の差は、安衛令3条と4条の条文差にあります。衛生管理者は常時五十人以上の労働者を使用するすべての事業場で選任します(安衛令4条)。安全管理者は、安衛令2条第一号又は第二号に掲げる業種の事業場で、常時五十人以上の労働者を使用する場合に選任します(安衛令3条)。五十人基準は両職で共通ですが、安全管理者には業種制限があります。

選任人数は、衛生管理者は規模に応じ1人〜6人(安衛則7条第四号表)、安全管理者は条文上の人数段階表はなく、原則1人体制として整理します(専任要件は別表)。選任すべき事由発生から十四日以内の選任と、遅滞なく所轄労働基準監督署への報告は、両職で共通の枠組みです。安衛則7条イ欄・ロ欄(衛生管理者の選任可能免許区分)と安全管理者の業種区分表は、別制度です。

衛生管理者——常時50人以上のすべての事業場

労働安全衛生法施行令(安衛令)第4条は、安衛法第12条第1項の政令で定める規模の事業場を、常時五十人以上の労働者を使用する事業場と定めています。

東京労働局も、衛生管理者は常時50人以上の労働者を使用するすべての事業場で選任すると説明しています。業種を問わず、五十人以上が選任義務の発生ラインです。

安全管理者——特定業種で常時50人以上

安衛令第3条は、安衛法第11条第1項の政令で定める業種及び規模の事業場を、前条第一号又は第二号に掲げる業種の事業場で、常時五十人以上の労働者を使用するものと定めています。

東京労働局の選任表では、次のような業種が例示されています。

表は横にスクロールできます。
区分業種の例(東京労働局あらまし)選任開始人数
業種1林業、鉱業、建設業、運送業、清掃業50人以上
業種2製造業、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売・小売業、旅館業、ゴルフ場業、自動車整備業、機械修理業等50人以上
業種3その他の業種選任義務がない事業場も含む

業種3に該当する事業場では、安全管理者の選任義務が発生しない場合があります。一方、衛生管理者は業種を問わず五十人以上で選任義務が発生します。

選任人数の違い——衛生管理者は規模別1〜6人、安全管理者は原則1人

衛生管理者の選任人数は、安衛則第7条第1項第4号の表に従い、規模に応じて1人〜6人です。

表は横にスクロールできます。
常時使用する労働者数(条文表現)選任人数
五十人以上二百人以下1人
二百人を超え五百人以下2人
五百人を超え千人以下3人
千人を超え二千人以下4人
二千人を超え三千人以下5人
三千人を超える場合6人

安全管理者については、安衛則第4条に衛生管理者式の人数段階表はありません。原則1人体制として整理し、一定の業種・規模では専任の安全管理者が必要になります(後述)。安全管理者の選任人数が規模に応じて6人まで増える、という整理は行いません。

14日以内の選任と所轄労働基準監督署への報告(両職共通)

安衛則第4条(安全管理者)および安衛則第7条第1項第1号(衛生管理者)は、選任すべき事由が発生した日から十四日以内に選任することを定めています。選任したときは、遅滞なく所轄の労働基準監督署長へ報告します。

東京労働局も、両職とも十四日以内の選任と報告を共通手続きとして説明しています。

専属と専任は同一視しない(概要)

両職とも、原則としてその事業場に専属の者を選任します(労働衛生コンサルタント等の例外あり)。「専属」と「専任」は別の要件です。

  • 安全管理者:建設業300人超、有機化学・石油製造300人超、無機化学等500人超、紙パルプ・鉄鋼・造船1,000人超、他業種2,000人超かつ労災100人超等で専任が必要(安衛則4条第四号表)
  • 衛生管理者:千人超、または五百人超かつ一定有害業務三十人超等で専任が必要(安衛則7条第五号表)

衛生管理者の専属・専任・届出の詳細は 衛生管理者の選任基準 で扱います。安全管理者の専任表の詳細は、施工管理ジャーナルの安全管理者記事で確認してください。

業種表の混同防止——通信業の例

安衛則7条イ欄13業種と安全管理者の業種区分表は、別制度です。通信業はその違いを示す具体例になります。

表は横にスクロールできます。
業種安全管理者の業種表(東京労働局)衛生管理者のイ/ロ区分第二種免許での選任
通信業業種2(製造業・電気・ガス・熱供給・水道・通信業等)ロ欄(その他の業種)
林業業種1(林業・鉱業・建設業等)イ欄(農林畜水産業)不可

通信業は安全管理者の選任対象業種に含まれますが、衛生管理者のイ欄13業種には含まれません。林業は逆に、衛生管理者イ欄に含まれ第二種では選任できませんが、安全管理者業種表では業種1側に位置します。業種名だけで両職の選任要件を断定しないでください。

安全管理者の選任対象・建設現場軸の詳細は施工管理記事へ

安全管理者の選任要件、研修・実務年数、統括安全衛生責任者・元方安全衛生管理者・建設現場での2軸整理、転職時の役割確認は、施工管理ジャーナルの安全管理者記事を正として読んでください。本記事では、事業場単位の法定2職比較に限定します。

資格——免許試験か、実務と研修か

結論として、資格は別制度です。衛生管理者は都道府県労働局長の免許を受けた者その他厚生労働省令で定める資格を有する者のうちから選任し、業種によりイ欄(第一種または衛生工学免許等、第二種不可)とロ欄(第一種・第二種または衛生工学免許等)で区分します(安衛則7条第三号)。安全管理者は、産業安全の実務経験と厚生労働大臣が定める研修修了者(学歴により実務年数区分)、労働安全コンサルタント、その他厚生労働大臣が定める者から選任します(安衛則5条)。衛生管理者免許の試験合格だけでは、安全管理者の選任資格にはなりません。

衛生管理者——イ欄13業種とロ欄その他の業種

安衛則第7条第1項第3号は、業種区分に応じて選任可能な免許を定めています。

イ欄(次の業種の事業場)——第一種衛生管理者免許若しくは衛生工学衛生管理者免許を有する者等:

  • 農林畜水産業、鉱業、建設業、製造業(物の加工業を含む。)、電気業、ガス業、水道業、熱供給業、運送業、自動車整備業、機械修理業、医療業、清掃業

ロ欄(その他の業種の事業場)——第一種・第二種衛生管理者免許若しくは衛生工学衛生管理者免許を有する者等

表は横にスクロールできます。
区分選任可能な免許の例
イ欄13業種第一種、衛生工学(第二種のみでは不可)
ロ欄その他第一種、第二種、衛生工学

安全管理者——実務経験・研修修了・労働安全コンサルタント

安衛則第5条は、次のような資格区分を定めています。

  • :大学又は高等専門学校の理科系統を修了し、その後二年以上産業安全の実務に従事した者で、厚生労働大臣が定める研修を修了したもの
  • :高等学校の理科系統を修了し、その後四年以上産業安全の実務に従事した者で、同研修を修了したもの
  • :労働安全コンサルタント
  • :その他厚生労働大臣が定める者

東京労働局も、大学理科系卒+2年以上産業安全実務等、研修修了、労働安全コンサルタントの区分をあらましとして示しています。研修名・修了要件の詳細は、施工管理ジャーナルの安全管理者記事で確認してください。

同じ人が両方の資格を持つことと、選任が別であること

1人が衛生管理者免許と安全管理者の選任資格(実務+研修修了等)の両方を満たすことは可能です。ただし、資格制度は別であり、選任義務・職務・専属・専任はそれぞれの規定に従います。

同一事業場で両職の選任義務がある場合に、1人が兼任できるか、職務をどう分担するかは、法定職務と会社運用を分けて個社確認が必要です。兼務可否を一般化して断定しません。

免許区分・試験・移行制度の詳細は資格記事へ

第一種・第二種・特例第一種の試験範囲、受験資格、移行制度の詳細は 第一種と第二種衛生管理者の違い第二種衛生管理者の転職 で扱います。本記事は、安衛則7条イ/ロと安全管理者業種表の対比に限定します。

安全管理者の研修・実務年数・転職要件の詳細は施工管理記事へ

安全管理者の選任時研修と衛生管理者免許試験は別制度です。実務年数の区分、研修修了の手続き、転職時に求人票で確認すべき役割は、施工管理ジャーナルの安全管理者記事を正として確認してください。

職務——衛生に係る技術的事項か、安全に係る技術的事項か

職務の分担は、安衛法11条と12条の条文に沿って整理できます。安全管理者は第十条第一項各号の業務のうち安全に係る技術的事項を管理し、衛生管理者は同条各号の業務のうち衛生に係る技術的事項を管理します(安衛法11条・12条)。東京労働局の職務例示では、衛生側は健康異常の発見・処置、作業環境の衛生調査、保護具点検、衛生教育、統計・記録等。安全側は危険防止措置、安全装置・保護具の定期的点検整備、安全教育・訓練、災害原因調査、消防・避難訓練等です。

安衛法第十条の枠組みのなかでの分担

安衛法第10条第1項は、事業者が総括安全衛生管理者の指揮の下に、危険・健康障害防止措置、安全教育、健康診断、労災原因調査等の業務を統括管理させる枠組みを定めています。

安全管理者と衛生管理者は、この枠組みのうち技術的事項を安全側・衛生側に分担します。総括安全衛生管理者の選任規模の詳細は、本記事では境界説明に留めます。

職務例示の対比表(官公庁あらましベース)

表は横にスクロールできます。
区分衛生管理者(東京労働局例示)安全管理者(東京労働局例示)
技術分野衛生に係る技術的事項安全に係る技術的事項
健康・環境健康異常の発見・処置、作業環境の衛生調査、作業条件・施設の改善
保護具・設備労働衛生保護具・救急用具等の点検整備安全装置・保護具等の定期的点検整備
教育衛生教育、健康相談等作業の安全についての教育及び訓練
災害・記録負傷・疾病等の統計、衛生日誌等の記録災害原因調査・対策検討、安全資料・記録
その他混在作業の衛生措置消防・避難訓練、作業主任者監督、混在作業の安全措置

出典:東京労働局 安全衛生管理者に関するページ

混在作業・委員会・日常実態の詳細は担当記事へ

衛生管理者の巡視・委員会・兼務の日常実態は 衛生管理者の仕事内容 で扱います。安全管理者の建設現場軸・社内役職の切り分けは、施工管理ジャーナルの安全管理者記事で確認してください。

巡視——条文上の頻度の記載差と、断定の境界

結論として、衛生管理者は少なくとも毎週一回作業場等を巡視し、有害のおそれがあるときは直ちに必要な措置を講じます(安衛則11条第1項)。東京労働局も「(2)定期巡視 少なくとも毎週1回」と明示しています。安全管理者は作業場等を巡視し、危険のおそれがあるときは直ちに必要な措置を講じます(安衛則6条)。同条に「毎週一回」「定期」等の頻度規定は見当たりません。

安全管理者に「毎週巡視が法定義務である」「巡視頻度の法定規定はない」と断定しません。設備等の「定期的点検整備」(職務例示)と、作業場巡視の頻度を混同しません。

衛生管理者——安衛則11条の「少なくとも毎週一回」

安衛則第11条第1項は、次のとおり定めています。

「衛生管理者は、少なくとも毎週一回作業場等を巡視し、設備、作業方法又は衛生状態に有害のおそれがあるときは、直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない。」

東京労働局も、衛生管理者について「(2)定期巡視 少なくとも毎週1回作業場を巡視し…必要な措置を講じなければなりません」と明示しています。

安全管理者——安衛則6条の巡視義務と頻度規定の有無

安衛則第6条は、次のとおり定めています。

「安全管理者は、作業場等を巡視し、設備、作業方法等に危険のおそれがあるときは、直ちに、その危険を防止するため必要な措置を講じなければならない。」

同条には、「少なくとも毎週一回」「定期」等、巡視の頻度を定める語は見当たりません。厚生労働省 職場のあんぜんサイトも、巡視義務を記載していますが、毎週・月次等の頻度は記載していません。安衛則11条(衛生管理者)との条文上の記載差として整理します。

記事で避ける表現

巡視頻度について、次の断定は避けます。

表は横にスクロールできます。
避ける表現理由
安全管理者も毎週1回の作業場巡視が法定義務安衛則6条に頻度規定がない
安全管理者に巡視の法定義務はない安衛則6条に巡視義務はある。頻度不明と義務の有無は別
社内規程の巡視頻度を一般化して記載個社運用。法令外の頻度を創作しない

代わりに、「安衛則6条は頻度を定めていない」「衛生管理者の毎週巡視(安衛則11条)と条文上の記載が異なる」程度に留めます。現職・求人では、社内の巡視・点検の運用を個社確認してください。

点検・整備と作業場巡視の区別

安全管理者の職務例示には、「安全装置、保護具その他危険防止のための設備・器具の定期的点検及び整備」があります(東京労働局・職場のあんぜんサイト)。これは設備等の点検整備の職務であり、作業場巡視の頻度と同一視しません。衛生側にも保護具等の点検整備の職務例示があります。

権限——措置を講じる義務と、事業者が与える権限

結論として、安全管理者は作業場等を巡視し危険のおそれがあるとき直ちに必要な措置を講じ、事業者は安全管理者に安全に関する措置をなし得る権限を与えなければなりません(安衛則6条)。衛生管理者は巡視時に有害のおそれがあるとき直ちに労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じます(安衛則11条第1項)。法定の措置義務と、会社運用での権限実態(作業停止・是正指示の範囲)は分けて確認します。

安全管理者——措置義務と権限付与(安衛則6条)

安衛則第6条は、安全管理者の措置義務に加え、「事業者は、安全管理者に対し、安全に関する措置をなし得る権限を与えなければならない」と定めています。

職場のあんぜんサイトも、同趣旨を説明しています。作業停止や是正指示がどこまで可能かは、会社の権限付与と現場体制に依存します。

衛生管理者——巡視時の措置義務(安衛則11条)

安衛則第11条第1項は、有害のおそれがあるとき直ちに労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じる義務を定めています。日常の委員会運用・記録様式の詳細は 衛生管理者の仕事内容 で扱います。

法定要件と会社運用の権限実態を分けて確認する

巡視・点検の社内運用(頻度・記録・措置権限)は、法定要件と会社運用を分けて確認します。

  • 巡視・点検の社内頻度と記録様式
  • 危険・有害を発見したときの措置範囲(是正指示・作業停止等)
  • 現場管理者・総括安全衛生管理者への報告ライン
  • 求人票の「安全衛生管理者」表記が、安全側・衛生側のどちらの権限を指すか

個社の権限範囲を一般化して断定しません。

安全管理者の権限・ライン責任の詳細は施工管理記事へ

作業停止・是正指示・建設現場での権限確認、統括安全衛生責任者との関係は、施工管理ジャーナルの安全管理者記事を正として確認してください。

連携——総括安全衛生管理者・産業医との分担と、同一事業場での兼務

結論として、事業者は政令で定める規模の事業場ごとに総括安全衛生管理者を選任し、安全管理者・衛生管理者の指揮の下に第十条第一項各号の業務を統括管理させます(安衛法10条)。安全管理者と衛生管理者は、この枠組みのうち技術的事項を安全側・衛生側に分担します。産業医・衛生推進者・安全衛生委員会等との連携の詳細は各担当記事へ委譲します。同一事業場で両職の選任義務がある場合の兼務・分担は、法定職務と会社運用を分けて個社確認します。

総括安全衛生管理者の下での安全側・衛生側の分担

安衛法第10条第1項は、総括安全衛生管理者に、危険・健康障害防止措置、安全教育、健康診断・健康保持増進、労災原因調査・再発防止、その他必要業務の統括管理を担わせます。

そのうえで、安全管理者は安全に係る技術的事項、衛生管理者は衛生に係る技術的事項を管理します。両職は総括安全衛生管理者の下で並立する構造です。総括の選任規模詳細は、本記事では境界説明に留めます。

産業医・委員会・衛生推進者との連携(境界)

産業医の選任・健康診断、安全衛生委員会、衛生推進者(安衛則12条の二)等は、それぞれ別制度です。本記事では連携の入口のみ示し、各制度の詳細は担当記事で確認してください。

同一事業場での兼務・分担の確認観点

同一事業場で安全管理者と衛生管理者の選任義務がともに発生する場合、次を分けて確認します。

  • 両職の選任報告の有無と選任年月日
  • 1人が両職を兼ねるか、別々の者が選任されているか
  • 専属・専任の要件をそれぞれ満たしているか
  • 職務分担(安全側・衛生側の業務範囲)
  • 巡視・点検・措置権限の社内運用

兼務可否の法的判断は、個別事業場の条件に依存します。記事では確認手順と質問例のみ示し、一般化して断定しません。

建設現場軸(統括安全衛生責任者・元方安全衛生管理者等)は施工管理記事へ

統括安全衛生責任者、元方安全衛生管理者、店社安全衛生管理者等の建設現場軸は、施工管理ジャーナルの安全管理者記事の担当範囲です。本記事では事業場単位の法定2職比較に限定します。

一覧比較表——選任対象・資格・職務・巡視・権限・連携

6軸を一度に照合できる比較表を示します。事業場単位・五十人基準・業種制限・資格の別制度・巡視の条文差・措置権限・総括との連携を1表に集約します。

6軸比較表(衛生管理者|安全管理者)

表は横にスクロールできます。
衛生管理者安全管理者
選任対象常時50人以上のすべての事業場(安衛令4条)特定業種で常時50人以上(安衛令3条)
選任人数規模に応じ1〜6人(安衛則7条第四号表)条文上の人数段階表なし。原則1人(専任は別表)
資格第一種・第二種衛生管理者免許等(イ欄・ロ欄で区分)産業安全実務+研修修了、労働安全コンサルタント等(安衛則5条)
職務衛生に係る技術的事項(安衛法12条)安全に係る技術的事項(安衛法11条)
巡視安衛則11条:少なくとも毎週一回安衛則6条:巡視義務あり。頻度規定は見当たらない※
権限有害のおそれがあるとき直ちに必要な措置(安衛則11条)危険のおそれがあるとき直ちに必要な措置+措置権限の付与(安衛則6条)
連携総括安全衛生管理者の下で衛生側を分担(安衛法10条)同左で安全側を分担

※安全管理者の巡視について、「毎週義務あり/法定義務なし」と断定しません。条文の記載差として整理します。

業種表の対比(イ欄・ロ欄|安全管理者業種表)

表は横にスクロールできます。
制度区分の数例(通信業)例(林業)
衛生管理者(安衛則7条イ/ロ)イ欄13業種/ロ欄その他ロ欄(第二種可)イ欄(第二種不可)
安全管理者(安衛令2条・東京労働局表)業種1・2・3業種2業種1

両表は別制度です。横断比較の具体例は 第二種衛生管理者の転職 も参照してください。

現職・求人票・面接で確認する項目

結論として、確認表に配属予定事業場の業種・常時使用する労働者数、両職の選任報告の有無、充てられる職(衛生側・安全側・兼務範囲)、必要資格、専属・専任、巡視・点検の社内運用、総括・産業医との連携を照合します。法定要件と会社運用を分け、個別ケースの法的判断は行わず、不明点は人事・総務資料または所轄労働基準監督署で確認します。

確認表(事業場・選任義務・資格・職務・巡視・権限・連携)

表は横にスクロールできます。
確認項目照合のポイント記入欄
事業場名・所在地企業全体ではなく配属事業場を特定
業種衛生管理者イ/ロ、安全管理者業種1・2・3
常時使用する労働者数五十人境界。衛生は人数表の段階も確認
衛生管理者の選任義務五十人以上のすべての事業場かあり/なし
安全管理者の選任義務特定業種かつ五十人以上かあり/なし/要確認
選任報告両職の選任年月日・報告の有無済/未/要確認
充てられる職衛生側・安全側・兼務範囲
必要資格免許区分/実務年数・研修修了
専属・専任両職それぞれの要件はい/いいえ/要確認
巡視・点検の社内運用頻度・記録・措置権限(法定と会社運用を分離)
総括・産業医との連携会議体・情報提供の範囲

確認のための質問例

断定ではなく、確認項目として次を質問してください。

  • 配属予定の事業場の業種と、常時使用する労働者数は何人か
  • 衛生管理者・安全管理者それぞれの選任報告は済んでいるか。選任年月日はいつか
  • 自分が充てられる職は衛生側・安全側のどちらか。兼務範囲はどこまでか
  • 衛生管理者なら、イ欄・ロ欄に応じた免許区分は何か。安全管理者なら、実務年数・研修修了は要件を満たすか
  • 専属・専任の要件は、両職それぞれ満たしているか
  • 巡視・点検の社内頻度と記録様式はどうなっているか(法定と会社運用を分けて確認)
  • 危険・有害を発見したとき、どこまで措置・指示できるか
  • 総括安全衛生管理者・産業医との連携範囲はどうなっているか

個別ケースの法的判断は行わない

次の点に注意してください。

  • 企業全体の従業員数だけで、事業場の選任義務を断定しない
  • 兼務可否・選任要否を、個別確認なしに一般化しない
  • 安全管理者の巡視頻度を、衛生管理者の毎週巡視と同一視しない
  • 安全管理者の巡視義務の有無を、頻度不明のまま否定しない

不明点は、所轄労働基準監督署、人事・総務、法務・労務の窓口に確認してください。

本記事の法令・官公庁情報は2026年8月22日時点の確認に基づきます。利用時にはe-Gov・厚労省・労働局の最新ページをご確認ください。

よくある質問

衛生管理者と安全管理者は同じ国家資格ですか?

別職です。衛生管理者は免許試験、安全管理者は実務経験と研修等の資格要件で、選任対象の業種も違います。

50人以上ならどちらも必ず置きますか?

衛生管理者は業種を問わず事業場50人以上が原則です。安全管理者は特定業種の50人以上が対象で、全業種ではありません。

巡視頻度は同じですか?

衛生管理者の毎週巡視は規則に明記されています。安全管理者側は条文の書き方が異なるため、同じ頻度だと断定しません。それぞれの職務と権限を分けて確認してください。

参照元(一次情報)

情報確認日: 2026-08-24。本一覧は本文が根拠にした一次情報です。試験日程・手数料・様式・統計表は、利用前に各ページの最新版を再確認してください。

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