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施工管理と建退共|掛金の積み立て・通算・転職時の手帳の扱いを解説

建設業退職金共済(建退共)の仕組みを施工管理の有資格・経験者向けに解説。証紙・電子ポイントの掛金、掛金通算、手帳・記録の確認、転職・業界離脱時の手続き。会社退職金とは別制度である点も整理します。

更新日:2026年8月14日対象:施工管理の有資格・経験者執筆・編集:ジョブエッジ施工管理編集部
建設業退職金共済建退共の確認|転職・退職時の扱い

転職や退職を考えるとき、「会社の退職金」とあわせて気になるのが建設業退職金共済(建退共)です。1級・2級の施工管理技士として現場に就いていても、建退共の掛金がどう積み立てられ、転職しても通算されるのかは、会社ごとの就業規則だけでは分かりません。

結論から言うと、建退共は事業主が加入する建設業向けの国の共済制度で、勤め先が建退共に加入している場合に限り、働いた日数に応じた掛金が業界内で通算されます。掛金は事業主が負担し、労働者の給与天引きはできません。転職時は共済手帳を必ず受け取り、次の建退共加入事業所で同じ手帳に掛金を継続します。退職金の請求は、会社を辞めただけではなく、建設業界で働かなくなったときに行います。

本記事では、証紙・電子ポイントの掛金の仕組み、手帳・記録の確認方法、転職・業界離脱時の手続きを、厚生労働省と建設業退職金共済事業本部(建退共)の公開情報に基づき整理します。会社の退職金規程・企業型DC・資格手当・年収相場は別の論点です(関連記事へリンクします)。

建退共(建設業退職金共済)とは|会社退職金・中退共との違い

建退共は、厚生労働省が説明するとおり、「中小企業退職金共済法」に基づく国の制度で、建設業を営む事業主が契約し、対象となる雇用者の働いた日数に応じて掛金を納付することで、その労働者が建設業で働くことをやめたときに、独立行政法人勤労者退職金共済機構・建設業退職金共済事業本部(建退共)から退職金が支払われます。

会社が就業規則で定める退職金や企業型確定拠出年金(DC)、中小企業退職金共済(中退共)とは別の積立です。転職時に確認すべき書類も異なります。

誰が加入し、誰の掛金が積み立てられるか

加入の単位は事業主(共済契約者)です。日本国内で建設業を営む事業主であれば、元請・下請、専業・兼業、許可の有無を問わず契約できます(建退共制度の手順)。

労働者側は被共済者として、事業主が掛金を納めた分が積み立てられます。建退共の説明では、掛金は全額事業主が負担し、「給与の天引き等で一部でも労働者に負担させることはできません」。

施工管理職は対象になりうるが、全員・全社が自動加入ではない

建設業の現場で働く労働者であれば、建退共の公式説明では国籍や職種(大工・電工・配管工など)を問わず加入対象となり、工長・班長などの役付でも月給・日給の別はありません。施工管理技士として現場監督・主任・監理補佐などの職務に就く場合も、原則としてこの「現場で働く労働者」に含まれる考え方です。

一方で、次のような方は加入できません(建退共制度の手順)。

また、厚生労働省の政策レポートでは、掛金の通算は「勤め先が建退共に加入している場合に限る」と明記されています。すべての建設会社・すべての施工管理職が自動的に建退共に入っているわけではありません。入社時・転職時に、事業所が建退共に加入しているかを確認してください。

この記事で扱わないこと(関連記事との境界)

論点本記事別記事・別制度
建設業退職金共済の掛金・手帳・通算
会社規程の退職金・企業型DC・中退共の確認入口のみ施工管理の退職金確認(制作予定)
資格手当・月額手当の見方施工管理の資格手当
年収相場・提示年収の読み方施工管理の年収
CCUSの登録・就業履歴の活用全般掛金確認の補助のみ施工管理とCCUS

掛金は「働いた日数」に応じて積み立てる|証紙と電子ポイントの2方式

建退共の掛金は、就労した日数(1日単位)に応じて積み立てられます。納付方法は、厚生労働省の説明どおり証紙貼付方式電子申請(退職金ポイント)方式の2通りです(掛金を納めるには|厚生労働省)。

手続きの主体は事業主(共済契約者)です。労働者が自分で掛金を払う制度ではありません。

証紙貼付方式の流れ

  1. 事業主が金融機関で「建設業退職金共済契約者証」を提示し、共済証紙を購入する
  2. 労働者に賃金を支払う都度(少なくとも月に1回)、働いた日数分の証紙を建設業退職金共済手帳に貼付し、消印する

建退共の証紙貼付方式のページ(2026-08-14確認)では、1日券は320円、10日券は3,200円と記載されています。証紙には中小企業用(赤)と大手企業用(青)があり、事業主の区分に応じた色を使います。掛金日額は、建退共の注記どおり費用・収益等を勘案して見直されることがあります。最新額は公開時点の建退共公式で確認してください。

新規で共済手帳が初めて交付されるとき、国から掛金50日分の補助(掛金助成)があることも、厚生労働省の政策レポートで説明されています。

電子ポイント(電子申請)方式の流れ

電子ポイント方式では、次の流れになります(電子ポイント方式|建退共)。

  1. 事業主がペイジーまたは口座振替で退職金ポイントを購入する
  2. 電子申請専用サイトに、被共済者ごとの就労日数を入力・承認する(賃金支払期日の属する月の翌月末日までが目安)
  3. 建退共がポイントを掛金に充当し、掛金充当書が発行される

証紙の代わりに手帳へ貼るのではなく、就労実績に応じて電子上で掛金が処理されます。事業所によって証紙のみ、電子のみ、併用があるため、自分の会社がどちらかは人事・総務に確認するのが確実です。

21日を1か月と換算する点

建退共では、掛金の月数を数えるとき、21日分を1か月として換算します。退職金を請求できるかどうかの条件理解に必要です(後述)。

掛金通算とは|建退共加入事業所を転職しても手帳は続く

厚生労働省は、建退共について「勤め先の会社を変えても、それぞれの期間全部が通算される」と説明しています(政策レポート)。ただし、これは前後の勤め先がいずれも建退共に加入している場合に限ります。

施工管理職がゼネコンからサブコンへ、あるいは別の建設会社へ転職しても、同じ建設業退職金共済手帳に掛金が積み上がります。会社ごとに退職金口座が分かれるのではなく、業界共済として一続きの記録になる点が、会社退職金と大きく異なります。

通算が成立する条件

通算の前提は次のとおりです。

建退共の「新しく従業員を雇用したとき」の案内では、すでに建退共の手帳を持っている場合は、その手帳に続けて掛金納付を行えるとされています。新規に手帳を作り直す必要はありません。

中退共など他制度からの引き継ぎ(入口のみ)

これまで中退共・清退共・林退共に加入していた場合、条件を満たせば移動通算で建退共に掛金を引き継げます。異なる事業所へ再就職したケースでは、厚生労働省の認定が必要になるなど、手続きが建退共内の転職より複雑です(移動通算FAQ|建退共)。本記事では建退共どうしの通算を主題とし、他制度の詳細は建退共公式と退職金確認の関連記事に委ねます。

手帳・記録の確認方法|自分の掛金が積み立てられているか見る

「掛金がちゃんと積み立てられているか」は、共済手帳と事業主が発行する書類で確認します(掛金納付状況を知りたいとき|建退共)。

共済手帳で確認する

共済手帳の表紙に記載の掛金納付実績に、手帳内に貼られた証紙の日数を加算すると、納付日数の目安になります。

ただし、建退共の注意どおり、手帳交付日以降の電子申請による掛金納付日数は手帳に反映されません。電子方式を使っている会社では、手帳だけ見ても不十分です。

電子申請の場合は掛金充当書を確認する

電子申請で掛金が納付されるたび、事業主には掛金充当書が発行されます。最新の掛金充当書に記載の累計納付実績に、手帳の証紙日数を加えると、おおむね全体の納付状況を把握できます。人事・総務に「最新の掛金充当書を見せてほしい」と依頼するのが実務的です。

建退共からの通知はがき・問い合わせ

建退共は、加入時や退職金請求権に相当する12月分の納付が積み上がったとき、約60月ごとなど、掛金納付状況通知(通知はがき)を送付しています。住所変更時は建退共への届出が必要です。

通知以外でも、所定の依頼書を建退共本部に送付すれば、掛金納付状況通知の発行を依頼できます。CCUSに建退共加入者情報を登録している場合、スマホアプリ「建キャリ」でも確認できる旨が建退共に記載されています(CCUSの設定は別途必要)。

転職するときの手続き|手帳の受け渡しと次の会社での継続

施工管理職の転職で建退共を途切れさせないための要点は、退職時の手帳受け取り入社後の掛金継続の2点です。

退職時に前職で確認・受け取るもの

建退共は、事業主に対し「被共済者が事業所を退職したときは、必ず共済手帳をお渡しください」と求めています(従業員が退職したとき|建退共)。

退職時に確認すべきことは次のとおりです。

確認項目内容
退職日までの掛金就労日数分の証紙貼付、または電子申請による充当が完了しているか
共済手帳の受領手帳本体を本人が受け取ったか(紛失していないか)
電子分の書類電子方式の場合、直近の掛金充当書の累計を控えておく
手帳の更新証紙欄が満杯に近い場合、更新手続きの有無

手帳を渡されないまま転職すると、通算の継続や退職金請求に支障が出ます。退職交渉の段階で「建退共の共済手帳の返却」を明記しておくとよいでしょう。

入社時に次の会社で確認すること

入社後は、次を確認します。

建退共の説明では、退職金が支給されるのは事業所をやめたときではなく、建設業界で働かなくなったときです。業界内の転職では、通常は退職金請求はせず、掛金の積み立てを継続します。

転職先が建退共未加入の場合

転職先が建退共に加入していない間は、新たな掛金は積み立てられません。それまでの掛金は手帳に記録された分として残り、後に建退共加入事業所へ入れば再開できます。ただし、長期間未納のままだと退職金請求のタイミングや金額に影響しうるため、未加入である事実は早めに把握しておいてください。

建設業界を離れるときの退職金請求|会社を辞めただけでは請求しない

建退共の退職金は、建設業界で働かなくなったときに請求する制度です。施工管理職が建設会社を辞めても、同業界の別会社に入る場合は請求せず、掛金を継続するのが基本です。

請求できる条件

建退共の制度の手順(2026-08-14確認)によると、次の条件が揃うと請求できます。

条件の詳細や個別の適用は、退職金の請求手続き(被共済者本人)|建退共で確認してください。

請求の入口(書類・オンライン)

請求には退職金請求書の提出が必要です。共済手帳、住民票(原本)などの添付書類が求められます。建退共の被共済者用サイトでは、退職金請求書の作成支援やオンライン申請の案内があります。手帳を紛失した場合は、再交付申請が先になります。

手続き完了までの期間は、必要書類が揃ってからおおむね1か月程度というFAQ回答があります(個別事情で変動)。

退職金額の考え方

退職金額は、納付された掛金の期間・掛金日額・予定運用利回り等に基づき建退共が計算します。建退共のサイトには、現行の掛金日額320円・21日=1月換算での早見表がありますが、退職金額は見直されうると注記されています。320円改定前から掛金している場合は、日額ごとに別計算になります。

本記事では個人の受取額を断定しません。試算は建退共公式の退職金に関するページや手続き案内を参照してください。

転職前に押さえるチェックリスト

施工管理職が転職活動中に建退共を確認するときの実務チェックリストです。

現職(退職前)

転職先(内定後)

業界離脱を見据える場合

建退共の積立状況とあわせて転職先の待遇全体を比較したい場合は、年収の内訳や資格手当の確認方法も別記事で整理しています。

退職金の土台が見えたうえで、建退共に加入している事業所の求人を比較したい方は、施工管理特化の転職支援サイトで条件を確認できます。

参考リンク(公開時点の一次情報)

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