登録販売者の「研修中」は、会社の新人研修や試用期間と同じ意味ではありません。厚生労働省の制度上、店舗管理者等になれる要件を満たしていない登録販売者を指し、名札の表記や、勤務中の管理・指導にもルールがあります。
転職すると従事期間がゼロに戻る、と一律に決まっているわけではありません。一方、前職での期間・時間を証明できなければ、転職先が要件を確認できません。この記事では、退職前にそろえる書類と、応募先で確認する配置を整理します。
この記事の結論
- 制度上の「研修中」は、単に経験2年未満というだけでなく、店舗管理者等の要件を満たす複数の経路に該当するかで判断されます。
- 研修中の登録販売者は、名札で研修中と分かる表記が必要です。
- 勤務中は、薬剤師または研修中ではない登録販売者の管理・指導の下で業務に従事します。
- 転職前に、従事期間・時間を証明する書類と研修受講記録の発行・保管方法を確認します。
「研修中」は社内研修の名称ではない
求人の「研修3か月」と、制度上の「研修中の登録販売者」は別です。
| 表現 | 主な意味 | 確認先 |
|---|---|---|
| 試用期間 | 雇用契約上の試用 | 労働条件通知書 |
| 新人研修・OJT | 会社内の教育 | 研修計画・配属先 |
| 継続的研修 | 登録販売者が毎年度受ける研修 | 研修実施機関・受講証明 |
| 研修中の登録販売者 | 店舗管理者等の要件を満たしていない登録販売者 | 従事証明・研修修了記録 |
厚生労働省通知は、店舗管理者等の要件を満たす経路を複数示しています。過去5年間の従事期間が通算2年以上の経路だけでなく、通算1年以上に加えて継続的研修・追加的研修を修了する経路、過去の管理者経験を使う経路があります。
したがって「経験が2年未満なら必ず研修中」「1年働けば自動的に研修中ではなくなる」とは決められません。自分がどの要件に該当するかを、従事期間・時間と研修記録で確認します。
名札と勤務中の管理・指導
厚生労働省通知では、研修中の登録販売者について、次の取扱いが示されています。
- 名札に「登録販売者(研修中)」など、研修中と容易に判別できる表記をする
- 薬剤師または研修中ではない登録販売者の管理・指導の下で業務に従事する
- 継続的研修を受講する
転職先の求人に「一人勤務あり」「医薬品担当を単独で任せる」とある場合は、研修中の配置と矛盾しないかを聞いてください。店舗に資格者が在籍していても、自分の勤務時間帯に管理・指導できる人がいるとは限りません。
退職前に従事証明を確認する
従事期間を次の勤務先で確認するには、前職の証明が重要です。退職後に担当部署や店舗が変わると、発行に時間がかかることがあります。
| 確認するもの | 確認内容 |
|---|---|
| 実務・業務従事証明 | 対象期間、月ごとの時間、業務区分 |
| 販売従事登録証 | 登録番号、登録年月日、氏名変更の有無 |
| 研修受講記録 | 継続的研修・追加的研修の実施機関と修了日 |
| 在職記録 | 配属店舗、雇用形態、勤務時間 |
会社がどの様式で証明するかは、都道府県の案内や厚生労働省の様式を確認します。自分で勤務時間を推計したメモだけでは、転職先や行政手続で証明書の代わりにならないことがあります。
実務経験の確認ガイドでは、従事期間を確認する観点を整理しています。
転職先で配置と研修を聞く
応募先では「未経験可」「研修あり」だけで判断せず、次を確認します。
- 入社時に研修中として配置されるか
- 同じ時間帯に管理・指導する薬剤師または登録販売者がいるか
- 前職の従事証明をいつ、誰が判定するか
- 継続的研修・追加的研修の費用と受講時間
- 要件を満たした後に、役割・手当がいつ変わるか
継続的研修と追加的研修の違いは、外部研修と追加的研修の見分け方を参照してください。管理者要件を満たしても、会社が直ちに店舗管理者へ選任するとは限りません。選任時期と手当は別に確認します。
応募前チェックリスト
- 自分が店舗管理者等のどの要件に該当するか確認した
- 前職へ従事期間・時間の証明方法を確認した
- 継続的研修・追加的研修の修了記録を保管した
- 応募先の同時間帯に管理・指導できる人がいるか聞いた
- 名札、担当売場、一人勤務の扱いを確認した
- 要件を満たした後の役割・手当の変更時期を確認した
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参考情報
- 厚生労働省|登録販売者制度の取扱い等について
- 厚生労働省|薬生発0331第16号
- 厚生労働省|医薬品の販売制度
- 情報確認日:2026-08-22
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